東電・賠償・国有化

2021年11月10日

くい損傷は中越沖地震影響 柏崎刈羽原発、規制委見解 2021/11/10

くい損傷は中越沖地震影響 柏崎刈羽原発、規制委見解 2021/11/10

 原子力規制委員会は10日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発6号機(新潟県)で見つかった建屋地下のくいの損傷について、2007年の新潟県中越沖地震の影響でくい内部の鉄筋が破断、変形したとの見方を示した。今後、現場を確認し、対策などを検討する。

 石渡明委員は会合で、鉄筋が同じ方向に曲がっている点などが「兵庫県南部地震(阪神大震災)や東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、熊本地震で観察された状況と似ている」と指摘した。

 柏崎刈羽原発は、テロ対策の不備が発覚して規制委から事実上の運転禁止命令を出されている。

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2021年05月19日

核物質防護不備、福島第二原発でも3件…扉の管理不十分など 2021/05/19

核物質防護不備、福島第二原発でも3件…扉の管理不十分など 2021/05/19 11:09

 原子力規制委員会は19日、廃炉が決まっている東京電力福島第二原子力発電所(福島県)で、核燃料を扱う「防護区域」の管理が不十分だった事例が3件あったと発表した。安全に関わる4段階の重要度評価では、いずれも最も軽微なレベルで、現在は対策済みとしている。

 規制委は、東電柏崎刈羽原発(新潟県)のテロ対策に不備が見つかった問題を受け、全国の原発で同様の不備がないかを調査していた。

 福島第二原発では、防護区域に設置された扉などの管理、点検が不十分な箇所が見つかったほか、不要になったIDカードを回収していなかった事例もあった。これらの扉などは外部に通じていなかったが、規制委の指摘を受けて閉鎖した。

 このほか、中部電力浜岡原発(静岡県)では、関連会社社員が手続きをせずに原発内に入った事例を確認。四国電力伊方原発(愛媛県)でも侵入者対策が不十分な開口部があった。重要度評価では、ともに最も軽微なレベルと判断された。

 柏崎刈羽原発を巡っては、侵入者を検知する設備10か所が30日以上機能していなかったことなどが判明し、規制委は重要度評価で最悪のレベルと判定。原因究明に向けた追加検査を行っている。

fp1100pcgateway2000 at 11:09コメント(0) 

2020年02月13日

【中通りに生きる会・損害賠償請求訴訟】6年闘って平均「24万円」、棄却された原告も。東電の和解案拒否受け福島地裁が判決。避難の相当性「2011年12月31日まで」しか認めず 2020/02/20

【中通りに生きる会・損害賠償請求訴訟】6年闘って平均「24万円」、棄却された原告も。東電の和解案拒否受け福島地裁が判決。避難の相当性「2011年12月31日まで」しか認めず 2020/02/20 00:21

「中通りに生きる会」(平井ふみ子代表)の男女52人(福島県福島市や郡山市などに在住)が、原発事故で精神的損害を被ったとして東電に計約1億円の賠償を求めた損害賠償請求訴訟。判決が19日午前、福島地方裁判所203号法廷(遠藤東路裁判長)で言い渡され、福島地裁は東電に対し原告1人あたり平均24万円の支払いを命じた。避難の相当性は「平成23年12月31日」までしか認めず、原告のうち2人は請求が棄却された。準備期間も含めると6年に及んだ裁判闘争。原告たちは満足していないものの控訴はしない方針で、「東電も判決を受け入れて」と口を揃えた。
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【「東電は判決に従うべき」】
 判決は「自主的避難等対象区域に居住していた者の慰謝料額の目安は、避難の相当性が認められる平成23年12月31日までの期間に対応する慰謝料額として、30万円と認めるのが相当である」とした上で、原告ごとの個別事情を考慮して認容額を計算。原告52人のうち50人に関して、東電に対し2万2000円から28万6000円(合計1203万4000円)の支払いを命じた。残り2人は請求を棄却された。東電の既払い金は原則8万円と認定された。
 閉廷後に開かれた記者会見で、原告の代理人を務めた野村吉太郎弁護士は「いわゆる〝自主的避難等対象区域居住者〟に対する慰謝料としては過去最高額であるという点は高く評価したい。ただし2名の請求棄却者が出たのは非常に残念。判決理由では『ADR手続きでの損害賠償額以上の損害無し』と認定されているが、請求棄却者以外にもADR手続きによる賠償請求をした人は複数いる。少しバランスを欠いているのではないか」と語った。
 「原告らが訴訟準備期間を含めると約6年の歳月を費やし、原則として原告全員の本人尋問を経て個別の損害を訴えた末の結果としては不十分。闘いに報いる金額では無い。苦労に苦労を重ねた挙げ句の判決にしては、物足りないものがある」
 原告たちは和解による早期解決を望み、福島地裁もこれに応じて昨年12月、判決とほぼ同内容の和解案を提示した。しかし、東電は今年1月7日付で拒否している。これに対し、野村弁護士は「未曽有の原発事故を起こした責任を無視するに等しい。暴挙と言うべきだ」と批判。原告は控訴しない考えで、「東電が控訴すればいたずらに被害者を引きずり回し、紛争解決を長引かせる事になる。原発事故を起こした社会的責任と、当事者による主張・立証が尽くされた上での判決の重みを被告東電は真摯に受け止め、今回の判決に従うべきだ」と訴えた。
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閉廷後の記者会見では複数の原告がマイクを握り、これまでの闘いを振り返った。損害は今も続いており判決には決して満足していないが、「泣き寝入りせず訴えた事は良かった」と語った

【本人尋問で語られた苦しみ】
 提訴は2016年4月22日。34項目の精神的損害に対する賠償を東電に求めた。
 会の代表を務める平井ふみ子さん(71)=福島市=は当時、こう語っている。
 「声をあげなければ駄目なんだ、と勇気を振り絞って準備を進めてきました」
 別の女性原告は「こういう訴えを起こすと『復興の妨げになる』とか『中通りの汚染を認める事になってしまうからやめてくれ』などと言われてしまう」と葛藤を口にしていた。決して安易な提訴では無かった。
 2018年2月からは、原告に対する本人尋問が行われた。2019年3月までの約1年間、ほぼ全員が慣れない法廷の真ん中に座り、時には嗚咽を漏らしながら原発事故後の想いを次のように口にした。
 「放射性物質と違って、私たちの気持ちには『半減期』など無いんです」
 「放射能は五感で感じる事の出来ない〝サイレントキラー〟です。被曝の心配は取り越し苦労ではありません」
 「原発事故の無い、遠い遠い所へ逃げ出して、何も心配せずに暮らしてみたいと、いつも感じています」
 「原発事故さえ無ければ、避難を巡って家族間で軋轢が生じる事もありませんでした」
 「賠償額は加害者側が一方的に決めた。悔しくて、腹が立って『バカヤロー』と叫びたいです」
 「親である以上、わが子の健康被害を心配し続けるのは当然です。母としての本能です。誰にも否定されたくありません」
 「放射性物質と共に生きるという覚悟を決めたとは言え、不気味さには変わりありません。何も好んで決意したのではありません。ここで暮らしていくしか無い以上、自分をだますしか無いんです」
 「平和で穏やかな生活は一変してしまいました。夢であってくれたら良いなと頬をつねってみましたが、夢ではありませんでした」
 「私の精神的損害は政府には決められません。福島に住んでいなければ理解出来ないと思います」 
 交際相手の親から「放射能の影響の心配がある」と娘との結婚を拒まれた原告もいた。事故前から子どもたちへの読み聞かせ活動を続けていた女性原告は「避難しない子どもたちがいる以上、私だけ逃げる事は出来ませんでした」と苦悩を語った。野村弁護士は準備書面の中で、原発事故に伴う放射性物質の拡散を「音もせず、見えない『空襲』だ」と表現した。
 一方で、提訴前の準備期間から5年以上にわたる裁判闘争で、原告たちの疲弊はピークに達していた。2019年5月には福島県庁内の記者クラブで記者会見を開き、和解による早期解決を求めた。だが、東電が和解案を受諾しなかった。
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「中通りに生きる会」の提訴準備は2014年から始まっていた。陳述書づくりが大変で、70人もの人々が原告に加わる事を断念した。原告たちは控訴しない。「もう日常生活に戻りたい。東電は判決を受け入れて」と願っている

【「東電は俺達に謝れ」】
 一方、被告東電は「既に支払われた避難区域外の賠償金は原発事故に伴う生活費の増額や避難費用も考慮されており、包括的慰謝料だと考えている。精神的損害等の賠償は済んでいる」として全面的に争った。主に次のように主張してきた。
 「自主的避難等対象区域の住民に対する低線量被曝によるリスクは、他の健康リスクに隠れてしまうほど小さく、原告らの健康に対する客観的かつ具体的な危険を生じさせるものではない」
 「福島県で小児甲状腺ガンが多発しているとする原告らの主張は明らかに失当である」
 「客観的根拠に基づかない漠然とした不安感をも法的保護の対象とすることになりかねない」
 「一般に本件事故後に居住継続し得ない客観的な状況にあると認識されていたとは認められない」
 2017年11月には、東電が全員分の準備書面を用意し、原告一人一人の主張を真っ向から否定した。
 「原告は自己の判断によって避難するかどうかを決めたものであって、中通りにとどまり生活せざるを得なかったという事実は認められない」
 「実際に自主的避難等対象区域の18歳未満人口の大多数は自主的避難を選択していない」
 「『ふくしま市政だより』や地元紙は当時から、健康に影響は無い、外遊びや洗濯物の室外干しも問題無い、という専門家の意見を掲載している」
 「文科省は3・8μSv/h(年20mSv)以下であれば校庭を使っても良いとする通知を出していた」
 東電の代理人弁護士は、法廷で高圧的な態度で原告たちの主張を否定し続けた。そのたびに、原告の間からは「私たちの被曝への不安は、そんなに合理的でないのか」、「まるで訴えている事自体が駄目なんじゃないかと思ってしまう」との声が漏れた。閉廷後は毎回、怒りと徒労感に包まれた。原発事故の被害者が東電という巨大企業と法廷で争う事の厳しさも身を持って感じた。
 判決後の記者会見で、代表の平井さんは「東電が判決を受け入れてくれる事を切に願う」と話した。植木律子さん(福島市在住)は「原告全員の陳述書や本人尋問の調書を読んで頂きたい」と東電の小早川智明社長への想いを口にした。大貫友夫さん(福島市在住)は「東電に謝罪してもらいたい」と怒りを口にした。
 多額の賠償金目当てに提訴したのではないとはいえ、二十数万円という金額はあまりにも安すぎる。請求を棄却された原告は記者会見の間、終始うつむいて涙を流していた。納得など出来ないが、誰もが自分に言い聞かせるように前向きな言葉を口にした。原告の1人は筆者に「この判決では本来ならば闘い続けるべきなんだろうけど、もう日常に戻りたい」と本音を吐露した。
 被害者がこれだけの年月と労力を費やし、涙を流してようやく認められたわずかな金額。これこそが、被害の実相に見合った救済を得られていない原発事故被害者の現実なのだ。


(了)

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2019年06月19日

東電、柏崎原発「異常」と誤連絡 地震で地元など37自治体に 2019/6/19

東電、柏崎原発「異常」と誤連絡 地震で地元など37自治体に 2019/6/19 20:59

 山形県沖を震源とし、新潟県で最大震度6強を観測した地震で、東京電力は19日、発生直後の柏崎刈羽原発の状況について地元自治体などに連絡した際、1~7号機全基の使用済み核燃料プールの設備に「異常あり」と誤記したファクスを送ったと明らかにした。実際には異常はなかったとしている。

 誤連絡した先は、新潟県や柏崎市、刈羽村など計37自治体と原子力規制庁、経済産業省資源エネルギー庁で、山形、栃木、長野3県と長野県内3市村も含まれる。

 7基は運転停止中だが、強い放射線を出す使用済み燃料は水を張ったプールで保管され、冷却が続けられている。


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2018年09月03日

8.31北海道庁前行動~国・東電の「トリチウム放出」方針に批判相次ぐ 2018-09-03

8.31北海道庁前行動~国・東電の「トリチウム放出」方針に批判相次ぐ 2018-09-03 23:41

8月31日(金)も、通算305回目の道庁前行動が行われた。

この日の行動では、福島第1原発敷地内の汚染水タンクに保管されているトリチウム汚染水を海洋放出する方針が示されたことに対し、批判が相次いだ。

常連メンバーからは、トリチウムが人の健康に与える影響、海洋生物への影響をはじめ、海の汚染が必ず食物連鎖を通じて猛毒となって人間に跳ね返ってくることを過去の公害の例から指摘する人など、次々と批判の声が上がった。

とりわけ、常連メンバーのインド人・ラトリさんの発言が秀逸だった。「日本政府は今、トリチウム汚染水を薄めて海に流そうとしている。日本政府がこんなことを計画している理由は、彼らが嘘も薄めて海に流す政府だからだ」とウソ、隠ぺい、ごまかし、はぐらかしだらけの安倍政権を厳しく批判した。

最後に黒鉄のスピーチ全文を紹介する。本来、このスピーチは先週(8/24)の行動で読む予定のものだったが、JR北海道研究会への参加が急遽決まって先週の行動に参加できなかったため1週繰り下げた。8月19日、泊原発地元の岩内町で行われたシンポジウムに参加した率直な感想である。

(写真は発言する畠山和也・前衆院議員(共産))

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 みなさんこんにちは。

 先週19日、泊原発地元の岩内町で開かれたトマロックイベントに行ってきました。この中で、「どうする原発に頼らないマチづくり」と題した公開シンポがありました。私がこの公開シンポに参加することにしたのは、立地自治体をどうするかが日本の脱原発のカギを握ると考えたからです。

 福島第1原発事故が起きるまで、日本の原発問題はいわば川に例えるなら「川下」に当たる消費地の問題だと考えられてきました。事故前の原発依存度は30~35%もあり、結局、「原発がないと電気が足りないじゃないか」という反論を受ける状況だったわけです。事故後、この状況は一変し、日本は省エネ化の進展によって原発を動かさないまま5年近くも過ごすことができ、電気が足りないとの原子力ムラの宣伝は嘘だとわかりました。日本財団の調査では、東京電力管内では事故後、ピーク時における電力使用量がなんと15%も減少していました。自分たちが利益だけ享受し、被害や不利益は地方に押し付けていた罪を自覚した首都圏の市民と企業は、福島原発事故をきっかけに便利さも明るさもまったく手放さず、生活スタイルの改善と工夫でこれだけの省エネを実現したのです。

 電力消費地がこれだけの努力で省エネを実現してみると、後に立地地域の問題が残りました。消費地が原発の電気はいらないと声を上げても、立地地域が「買ってもらわなければ我々の生活が成り立たない」と生活を盾にとって原発再稼働を目指す傾向が明らかになり、原発は立地地域の問題に変わったのです。

 公開シンポでは、元岩内町の助役だった不動産会社の経営者の方が「自分は原発推進派」だと断りつつ、こんな話をしました。立地地域は原発の危険性と引き換えに町を売って食べている。現役だったころ、町長からは「安全だけは確保せよ、何かあればいつでも原子炉を止めるという気概がなければ安全は守れない」といわれたそうです。原発推進派にも原発が自分のすぐそばにあってもいいという人は皆無だという思わぬ話もされました。

 「原発反対運動がなければ首長、議員が内心では原発は危険だと思っていても声を上げられなくなる。だから健全な原発反対運動は必要だ。そんな健全な反対運動があるのは地元では岩内だけ。泊村にも共和町にも神恵内にもない」という話を聞き、私たちがここで毎週、声を上げ続けていることの正しさを感じました。しかし一方「東京、札幌の反原発運動は原発反対だけでもいいが、岩内では別のものが必要だと思う。原発がなくてもこれで食べていけるというものが必要だ」というお話があり、これには考えさせられました。原発に何十年も依存してきた地域は自立が不可能になっており、言葉は悪いですが「要介護自治体」状態です。無責任だし、そもそも私たち市民がなぜ立地地域の将来や産業構造の転換のことまで考えてやらなければならないのか、そこまでしなければならないのかと怒りがわきます。しかし、彼らの姿を見ているとやはりそれに私たちが取り組み、様々な提案をしていく必要もあるのだろうと思いました。だからこそ先の国会に提出された立憲民主党の原発ゼロ法案には、立地地域の経済振興や産業構造の転換に対する支援が盛り込まれたと聞いています。

 この元助役の方は、観光業で地域おこしをしているニセコ町も結局は地元資本ではなく、道外や海外の資本の植民地になっている現実を挙げながら、地場産業を作ることの重要性を指摘しました。地場産業を作ることで、経済活性化のために原発を誘致し、支持している人たちは地場産業で頑張れる。原発反対の人も「原発がなくてもこれで食べていける」と主張できる。両方が幸せになれる道ではないかとのことでした。地元が原発賛成、反対の分断を超えるひとつの道ではないかと思いました。

 質疑応答では、福島の厳しい現実への理解がない、明日にも事故が起きるかもしれないのにあまりにものんびりしすぎている、とパネリストへの厳しい批判もありました。しかし、この点を乗り越えないと脱原発はいつまでも実現しません。それに、原発推進側の元助役という立場を明らかにして公開シンポに臨めば厳しい批判を受けると自分自身もわかっていたはずです。そうした批判を覚悟のうえで、推進側の人物があえて反対派の前に身をさらし、批判も受けたことに一筋の光も感じました。

 原発に半世紀近くもどっぷりつかってきた立地自治体を変えるのは並大抵のことではありません。しかしそれは避けては通ることのできない道です。ここに集っている皆さんの知恵も借りながら、1日も早い脱原発が実現するよう、ともに考えていかなけばならないと考えさせられる公開シンポだったと思います。
 
 今日は以上で終わります。ありがとうございました。

fp1100pcgateway2000 at 23:41コメント(0) 
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